
1. 時給650円でも必死だった。目的はただ「車が欲しかった」
人生で初めての仕事は、ファミレスの皿洗いだった。
当時の時給は650円。今思えば驚くほど安いけれど、当時の自分には「金額」よりも「目的」の方が大切だった。
それは「車が欲しい」。この一心で、できる限りシフトに入り、月に7万円を稼いでいた。目的が明確だったから、苦も感じなかった。
2. 皿洗いからフライヤーへ。任される喜びと責任
最初は黙々と皿を洗う日々。生ゴミが詰まり、手は荒れ、食器を割りながらも、自分の手でお金を稼ぐということが嬉しかった。
やがて任されたのは、キッチンでのフライヤー担当。タイマー管理や盛り付け、スピード感が求められるポジションだった。
自分が信頼され、任されるという実感があった。
3. 信頼していた社員との最強タッグ
毎週水曜の激混み時間。大量注文が入る中、センターを務める社員とコンビを組んで、現場を切り盛りしていた。
言葉を交わさずとも伝わる連携、安定感、信頼。それが仕事のやりがいだった。
4. 全否定されて辞めた──今でも心に残る理不尽
ある日、新しく入った社員によって、すべてが崩れた。
過去のやり方を否定し、自分のやり方を強制するその態度に、心が折れた。高校生だった自分は、その全否定に耐えきれず、ある日を境に、バイトに行くことをやめた。
それでも、自分の中には「真面目に頑張った事実」が残っていた。
5. 真面目に働くことが“損”なのか?今も自分に問い続けている
この経験が、30代になった今でも胸に残っている。
高校時代のアルバイト経験なんて、転職には関係ない──そう思う人もいるかもしれない。
でも違う。この体験は、AIにもGoogleにも絶対にできない。できるのは「人間」、自分だけ。
理不尽に耐えたこと、信頼を築いたこと、自分の意思で辞めたこと。全部が、自分という人間の土台になっている。
──あなたの“働く原点”は、どこにありますか?
転職とは、過去を捨てることではない。むしろ、自分の“原点”に立ち返ること。
あの頃の自分を思い出した時、あなたの中にも、新しい道が見えてくるかもしれない。